TOP MESSAGE

社長インタビュー

高濱 猛

TAKAHAMA TAKESHI

有限会社タカハマライフアート最高経営責任者。

“「早い」というオーダーの他に、
「誰にもできない」というオーダーも受けました”

オリジナルプリントのタカハマライフアート

──── まずタカハマライフアートの事業内容を教えてください

はい。オリジナルプリント業です。

──── それはTシャツ以外もという認識であってますでしょうか

はい。Tシャツ以外のものも含みます。

──── ありがとうございます。続いていきなり核心ですがビジネスモデルを教えてください

一貫生産、ひとつの場所で印刷をするというのが特徴だと思います。一貫生産によりスピードが早くなるというのを売りにしています。

──── ワンストップというのは問い合わせから商品づくり、発送までということですよね

はい。人やモノの移動がないので時間を削減できるというのが大きいですね。

──── 他の企業は一貫生産されていないのですか

実は一貫生産をしているところは多いですね。ただ、自分の強み(業界内の立ち位置)として「早い」を明確に訴求しているところはないですね。

──── 「早い」を実現できる理由はなんでしょうか

先ほどお伝えしたように物理的に一か所で移動なく生産ができるということと「早いで一番」というスローガンを社内に浸透させているからですかね。

──── 他の一貫生産ができる企業様との違いは何だとお考えですか

優先順位だと思います。他の企業様は納期をとる分、安くするなど計画生産をしています。しかし、うちの場合は先の仕事が入らないようにあえて許容量を狭くして3日以上先の仕事はとりません。選択と集中でしょうか。

「早い」に徹底してこだわる

──── なぜ「早い」に集中しようと思われたのでしょうか

創業時から狙って「早い」を売りにしていたわけではありませんね。

──── どのような背景があったのでしょうか

事業を始めた頃、夜中に電話がかかってきて、朝までに500個バックがほしいなどと言われることがありました。無謀だと思いつつも自分の性格上、やってしまうのですね(笑)。ただし、代金はプラスアルファしました。

──── お一人でやられていたのでしょうか

いえ、家内やそのとき働いていた外国人スタッフと対応していました。大変でした。でも大変だと思うことでも続けていると、こいつはできるぞという噂が広まり仕事はたくさんきました。

──── それで高濱さんのところに緊急依頼がくるようになったという感じでしょうか

そうですね。また、私のほうでも、いつ何がきても対応できるように自分で製版するなど間口を広げるようにしました。

──── 今、アイテムはだいぶ絞られましたよね

現在はやり方が同じものだけを残して、特異なものはなくしました。

──── それにしても先の予約をとらないというのは勇気が必要ではなかったですか

いえいえ、「早い」というオーダーの他に、「誰にもできない」というオーダーも受けましたので大丈夫でした。例えば、以前に風船にプリントしてくださいという依頼がありました。それまでやったことがなかったのですが、ここだったら受けてもらえるだろうというお客様の期待があるので、一回膨らませてから印刷するのはどうかなど、いろいろ試しました。他でできないと言われたら頑張る、逆に他にできるものは受けなかったです。ただ、他にはできないので通常の3倍の価格にするなど経済面での工夫はしていました。

──── 「早い」「他がやらないこと」というブランド化は
     先に要望があったということですよね

そうですね。要望が先ですね。昔、「蜘蛛の巣経営」というのを聞いていました。網が大きければ大きいほどかかる範囲を広くなるわけですから、何でもできるように対応範囲(網)を広げ、たくさん注文がくるようにしました。注文をとるのが1番大変だと思ったので自分が何でもやってやろうという気持ちでいましたね。自分自身が制作もできるので営業先でのトークはばっちりで、100発100中でした。

──── すごい勢いですね

注文が来ない時期を知っていますからね(笑)。

過去には注文がとれない苦しい時期も

── 注文がとれない時期はどんな感じだったのでしょうか

最初10万円の小さい工場を借りたのですが、パートさんと2人で床のニスがけをしていました。1週間に2つくらいお仕事がくるのですが、残りの時間が多く、掃除か電話帳を見て営業電話をかけていました。

仕事がないという状況が続くと仕事のありがたさというか、執着心のようなものが芽生えてきましたね。だから値段は上げますが、断りませんでした。

当時、生計はなりたっていたのですか

めちゃくちゃよかったです。今までの中で1番良かったかもしれない。なぜならスタッフが自分だけだからです。時間給にしたら安かったですし、休みはありませんでしたけどね。週2、3の受注が毎日になって1か月に1回も休まない状況にまでなりました。

刺激的な経営者との出会いがきっかけに

── 続けてですが、オリジナルプリント市場について教えてください。

最近大きくなってきたというイメージを持たれる方が多いかもしれませんが、昔も潜在ニーズは大きかったのではないかと思います。

── 顕在化されたきっかけとは何でしょうか

昔はインターネットがなかったので電話やFAXでの煩雑なやりとりがあり、さらに商品の値段も決まっていなかったので需要があまり満たせなかったのですがインターネットで参入のその障壁がさがりました。

── インターネットの普及により、受注件数が増えたということでしょうか

そうですね。ただ、ネットがない時代でもDMの効果はすごかったですね。オリジナルTシャツ(クラスTシャツ)で成功しているところはありましたよ。一回視察に行って衝撃を受けました。

── どういう衝撃ですか

クラスTシャツなので高校生と話すのが前提です。最初は面倒くさいのではないかと思っていまして少し敬遠していました(すみません)。でも、その会社を見に行った時にみんな忙しそうにしていて、よくよく聞けば注文のほとんどが高校からだと。ただただ、すごいと思いました。社長もとてもインパクトのある方でした(笑)。

── 事業も人も衝撃的だったのですね

はい。社長とは一緒に夜中まで飲みにいくこともありましたね。そして、何回かご一緒させていただいたある日、10年ほど前だったでしょうか、飲み終わった後に身震いしながら俺もやってやると思った瞬間がありました。そこからそこの社長と仲良くなりました。「うち下請けやりますよ」と言いました。その会社にはすでに仕組みがあったので仕事をしながら仕組みを学びました。今でもうちに活きていると思います。ずっと感覚でやっていたので仕組を作っておくと楽なのだとわかりましたね。

丁寧な電話対応で競争優位性を確保

── 昔からオリジナルプリント市場は水面下では大きかったのですね。この市場は伸びているのでしょうか。

伸びていますね。今まで作り方がわからなかったお客様がインターネットによってやり方がわかるようになりさらに加速しているのではないでしょうか。Tシャツなどのメーカーさんは増えていますし、プリントをする競合も増えています。激戦となっています。その分、自社の立ち位置が大事ですね。

── なるほど。タカハマラフアートの強みは「早い」の他にもありますか

「早い」というのと、電話応対ですかね。私は昔、結婚式の司会をしていたので電話応対が良かったと思います。電話がきたら落とさないと決めて仕事をしていました。ネットが主になってきても電話は競争優位性になると考えています。

── そういえば、インターンの方も電話応対の訓練をされていましたね

そうですね。大事だと思っています。

── 今の仕組上、全てのお客様と電話されますよね

よほど簡単なデザイン以外は必ず電話していますね。

次ページ:「整理整頓が課題」 >

採用情報